海外感染症情報
[韓 国]

1 感染症の流行状況
 韓国では、日本と同じように赤痢や腸チフスなどの感染症や、腸炎ビブリオやサルモネラなどの食中毒、並びにA型肝炎、寄生虫疾患が発生しています。
  次のような病気がみられます。

  消化器系疾患
  ○細菌性赤痢      ○食中毒
  ○腸チフス・パラチフス ○アメーバ赤痢
  ○ランブル鞭毛虫症   ○A型肝炎

  その他の疾患
  ○B型肝炎        ○エイズ
  ○寄生虫疾患      ○マラリア

 韓国は、温帯地域にあり、気候も明瞭な四季があって日本と酷似していますが、日本と比べ若干、春と秋が短いようです。
 このように日本と同じような気候ですので、感染症も日本と同じく6〜9月の暑い時期に集中して発生します。流行する感染症は食中毒を主にした消化器系疾患ですが、この他にも発生数はわずかですが赤痢やA型肝炎も見られます。性病や寄生虫疾患などは、特に季節的な変化はありません。

◎ 1998年、全国の空港検疫所で韓国から帰国した19名から食中毒菌が検出されています。また、1997年の国内の全国統計では韓国で感染した赤痢患者2名、腸チフス患者1名が報告されています。

2 韓国での病気の予防方法
 韓国には、さほど多くの感染症があるわけではありません。そのため、一般の観光地や市内で観光しているだけであれば、体調を整えておくだけでも、かなり病気の予防ができます。旅行に出かけると、どうしても疲れや飲み過ぎ食べ過ぎで知らない間に抵抗力が落ちてしまいます。このような場合、体に病原体が入ると簡単に病気になってしまいます。また、韓国には顎口虫症という寄生虫疾患がありますが、普通の食事をしていれば問題はありません。

  そこで病気を予防する上で注意が必要な食べ物と行動を紹介します。

(1)注意したい食べ物

  ◎生野菜: 市場や屋台などで蠅がたかっているようなものは避けてください。赤痢、食中毒や寄生虫に感染する危険があります。
  ◎生もの: 食中毒の流行する時期(6〜9月)には、日本でも生ものを控えるように、衛生状態の良い韓国でもこの時期には、刺身・生ガキなどを食べるのは控えましょう。特に衛生状態の良くない屋台(ポチャンマチャ)では、食中毒やA型肝炎などに感染する危険が高いようです。たとえ一流レストランや高級ホテルであってもこの時期であれば食中毒菌に感染する恐れがあります。この他、いわゆる病気ではありませんが、韓国にはフグの調理免許制度がなく、不完全な調理によるフグ中毒が発生しています。死亡することもありますので、低レベルの料理屋でのフグ料理は避けましょう。また、カムルチーに代表されるような淡水の魚には顎口虫と言う寄生虫がおり、生や加熱が不完全な調理によって感染が引き起こされることがあります。命には別状ありませんが、人の皮下に寄生し有効な駆虫薬がないために駆虫が難しい病気ですのでご注意を。
  ◎生水・氷:水道の設備は一応整っていますが、韓国の水は硬水で軟質の水に慣れた日本人は、下痢を起こすことがよくあります。水が飲みたい人は、ミネラルウォーターなどを購入してください。

(2)注意したいこと

   ◎病気とは関係ありませんが韓国は儒教の国であるため礼節を非常に重んじます。 特に、目上の人に対しては礼儀は重要です。礼儀を心掛けておかないとトラブルの原因になりますので、礼節を欠くことがないようにしましょう。 

3 マラリア情報 (WHO INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH 1999)
 マラリアの中では比較的軽症な三日熱マラリアのみが、主にKyunggi Do県北部で見られます。

帰国時、又は帰国後1ヶ月以内に原因不明の発熱がある場合は検疫所にお気軽にご相談ください。