台    湾 1 感染症の流行状況 台湾では、赤痢などの感染症や、腸炎ビブリオやサルモネラなどの食中毒、あるいは肝炎、寄生虫疾患が発生しています。 次のような病気がみられます。 食べ物・水から感染する病気 ○細菌性赤痢、アメーバ赤痢 ○食中毒 ○腸チフス、パラチフス ○ランブル鞭毛虫症 ○A型肝炎 ○寄生虫疾患 虫が媒介する病気 ○デング熱 ○日本脳炎     その他の疾患 ○B型肝炎 ○エイズ ○破傷風       台湾は亜熱帯性地域にあり、その気候も亜熱帯性気候になります。南部と北部では、若干の違いはありますが、3〜11月が夏で、この時期には赤痢や食中毒をはじめとする消化器系の感染症やウイルス性肝炎の発生が非常に多くなります。逆に気温の低くなる(日本の春くらい)12〜2月には、発生が少なくなります。その他の破傷風、性病、寄生虫疾患などは、特に季節的な変化はありません。また、熱帯・亜熱帯地域特有の感染症であるデング熱は、3〜11月の比較的雨の多い時期に発生があります。 ◎1999年、全国の空港検疫所で台湾から帰国した旅行者13名から食中毒菌が検出されております。また、2000年の感染症発生動向調査によると台湾で感染した報告はありませんが、1998年の国内の全国統計では台湾で感染した赤痢患者2名の報告があります。 2 台湾での病気の予防方法 台湾には、それほど多くの感染症があるわけではありません。そのため、都市で観光しているだけであれば、食事や飲み物に注意し体調を整えておくだけでも、かなり病気の予防ができます。旅行に出かけると、どうしても疲れや飲み過ぎ食べ過ぎで知らない間に抵抗力が落ちてしまいます。このような場合、体に病原体が入ると簡単に病気になってしまいます。 そこで病気を予防する上で注意が必要な食べ物と行動を紹介します。 1 注意したい食べ物 ◎生 野 菜: 市場や屋台などで蠅がたかっているようなものは避けてください。赤痢、食中毒や寄生虫の心配があります。 ◎生 も の: 3〜11月の消化器系感染症が多発する時期に日本の食習慣と同じように刺身・生ガキなどの生ものを食べるのは、たとえ一流レストラン、高級ホテルであっても油断できません。食中毒や肝炎の危険があります。ここは日本ではなく、亜熱帯の国であることを十分に理解してください。 ◎生 水・氷: 水道の設備は一応整っていますが、台湾の水は硬水で軟質の水に慣れた日本人は下痢を起こすことがよくありますし、病原体(肝炎ウイルスも)に汚染されやすいので生水は避けてください。水が飲みたい人はミネラルウォーターやボイルドウォーターを購入してください。また、氷は生水から作られることが多いのでなるべく取らないこと。ウィスキーなどと一緒でも消毒効果はありません。 2 注意したいこと ◎タクシー: 病気とは関係ありませんが、台湾は年々、治安が悪くなっています。よくいわれることですが、一人でタクシーに乗るのは(特に女性は)非常に危険です。運転手が強盗に早変わりというのは現地でも良く聞く話で、外務省でも、危険なため旅行者には避けるように指導しています。 ◎毒 蛇 !: 台湾は世界有数の毒蛇の生息地です。都市部であれば問題はありませんが山岳地帯や森林地帯あるいは農村地帯は蛇の生息地域にあたるため危険性が高いと考えてください。危険な毒蛇はタイワンハイ、タイワンコブラ、クサリヘビ、百歩蛇、タイワンハブ、アオハブなどがおります。特に百歩蛇(ひゃっぽだ)は噛まれると百歩あるく間に死んでしまうといわれるほどの毒を持っています。 3 予防接種  入国時に要求される予防接種はありませんが、地方への旅行や長期滞在の場合には、一般にA型肝炎、破傷風、日本脳炎などの予防接種が勧められます。予防接種は、これまでの予防接種歴、滞在期間、旅行形態、出発までの期間でかわりますので、詳しいことはお近くの検疫所に問い合わせてください。 4 マラリア情報( WHO INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH 2001) ほとんどの地域で、マラリアの危険はないと考えられています。 海外保健医療情報 1 病気になった時 (1)処置 台湾で流行する病気は食中毒や肝炎が主で赤痢やコレラの発生はまれですが、抗生剤の乱用などの素人療法で逆に治療が遅れ、取り返しがつかなくなる場合もあります。一時的に日本より持参した市販薬を使用するのは差し支えありませんが、体調に異常がある方は速やかに現地の病院を受診してください。 (2)国内の医療機関 医療機関がかなり整備されており、特に技術的なレベルを心配する必要はなく安心して診療を受けられます。また、一流のホテルでは専従の医師がいるので、診察を受けることができます。 なお、日本と違い健康保険制度がありませんので風邪でも数千円から数万円、請求されることがありますので、できれば海外旅行傷害保険に加入することです。 −台湾は医療費が高いとよく言われていますので− 台湾−台北市で日本語で診察を受けられる病院 [内科] 名  称 住    所 電 話 郭内科 華陰街121号 541-5055 台北博愛診所 中山北路2段27巷2号1 541-0632 福全医院 民権東路2段48号 563-0555 陳国輿診所 錦州街26号 541-1017 三愛医院 信義路2段265号 351-8336 [小児科] 李内児科 中山北路6段284号 832-0610 第一健診中心 八徳路3段20号 752-4415 [外科] 徐外科 甘州街56号 551-3329 協和医院 松江路85巷5号 507-2222  [皮膚科] 寿康皮膚科 林森北路85巷1号 541-6618  [泌尿器科] 徳三診所 羅斯福路3段86号1 367-3817 [耳鼻咽喉科] 林耳鼻喉口科 延平北路2段241号 541-3875 余耳鼻喉口科診所 保安街3号 541-6709 [眼科] 振山眼科 中華路1段79号5 331-8887 施眼科 民権西路288号 541-0426 [歯科] 一鳴牙科 和平東路1段33号 341-2102 輝陽牙科 金山南路2段39号1 391-8351 ※診所;病院、診療所の意味 参 考 日本台湾交流協会 (台北事務所) (TEL 02-741-2116)   (高雄事務所) (TEL 771-4008) 台湾観光協会 台北市民権東路111京華大楼 (TEL 594-3261) 救急車 : 局番なし119 警察  : 局番なし110 2 帰ってからの過ごし方  帰国して最初に受けるのは検疫です。滞在先で下痢、腹痛、発熱など体に異常があれば健康相談室で相談してください。赤痢やコレラでも軽い症状ですんでしまうことが多いのですが、感染力は思ったより強いので、自分で大丈夫と思っていても家族や会社の人に感染することもありますので・・・・。  また、潜伏期間といって感染してから一定の期間たたないと発病しない病気が数多くあります。検疫時は何ともなかったのに数日してから症状が出ることがあり、その時(症状が出た時)には、速やかに医師の診察を受けましょう。診察を受ける際には滞在した国と期間、蚊やノミ、ダニに刺されていたらそのことや、食べたものについても説明されると診断の役に立ちます。 帰国時に体に異常があればお気軽に健康相談室で相談してください。 厚生労働省 検疫所 2001