海外感染症情報
タ ヒ チ
(仏領ポリネシア)
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1 感染症の流行状況
タヒチで流行する感染症は、赤痢、腸チフスなどの感染症は極めてまれで、主に、腸炎ビブリオやサルモネラなどの食中毒やA型肝炎などが発生しています。
感染のおそれのある病気は、おおむね次のとおりです。
消化器系疾患
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その他の疾患
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○食中毒
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○B型肝炎
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○細菌性赤痢
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○エイズ
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○A型肝炎
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○破傷風
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○腸チフス、パラチフス
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○デング熱
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○寄生虫疾患
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タヒチの気候は亜熱帯性海洋気候に属し、平均気温は25℃前後です。主として11〜3月が雨の比較的多い雨季にあたり、気温も高く30℃を越えることがあります。逆に4〜10月頃が雨の少ない乾季となります。この気候は島々によって多少差がみられます。観光やマリンスポ−ツではまったく問題ありません。このような気候ですので食中毒などの消化器系疾患やA型肝炎などの感染症は1年中発生していますが、特に11〜3月に多いので注意する必要があります。その他、注意を要する疾患としてデング熱や性病があります。デング熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカという蚊によって媒介される熱帯・亜熱帯地域特有の感染症です。この媒介する蚊は雨季に多く発生するためにデング熱も雨季である11〜3月や雨季明け後に発生が多く見られます。 破傷風や性病は、季節に関係なく1年中見られますが発生数は多くありません。しかし、破傷風菌は傷口から侵入し、神経症状を引き起こして治療が遅れると死亡することもある病気ですので注意してください。
2 タヒチでの病気予防方法
旅行に出かけるとどうしても疲れや飲み過ぎ、食べ過ぎで知らない間に抵抗力が落ちてしまいます。ましてタヒチは、11〜3月には暑さがきびしくなりますので、特にこの傾向は強いようです。このような場合、体に病原体が入ると簡単に病気になってしまいます。消化器系の感染症やA型肝炎などは、食べ物や水に注意し、体調を整えておくだけでも、かなりの病気予防ができます。また、破傷風や性病は感染方法を理解していれば、それだけで予防となりますし、デング熱も蚊さえ防げれば感染しません。
そこで病気を予防する上で注意が必要な食べ物と行動を紹介します。
(1)注意したい食べ物
◎乳 製 品:
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衛生状態は悪くありませんので赤痢や食中毒などは少ないですが、不衛生な屋台などでの飲食は避けた方が良いでしょう。アイスクリ−ムをはじめとする乳製品は、細菌が発育しやすい成分が多く含まれており、温度管理が悪いと病原菌が急激に増加してしまいます。このような乳製品を食べると赤痢、食中毒菌などに感染する恐れがあります。
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◎生 水:
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タヒチ島やモ−レア島であれば水道の設備は良く、安全な水を飲むことができますが、その他の島や岩礁地帯では飲用には適していません。このような場所に出掛ける際にはミネラルウォ−タ−を持参することをお勧めします。
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◎生 も の:
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まわりはすべて海なので海産物は非常に豊富ですが、衛生状態の悪い店や屋台では、生ものを食べるのは避けてください。日本と同じように食中毒菌、赤痢に感染することがあります。
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(2)注意したいこと
◎蚊に注意:
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デング熱はウイルスを持った蚊に吸血されることで感染します。この蚊はマラリアを媒介する蚊と逆で日中(特に明け方)に活動しますので、デング熱に感染する恐れは昼間が一番のようです。夜であれば蚊帳や蚊取り線香で蚊の防御はできますが、日中ではそうはいきません。また、この病気は予防接種もマラリアのような予防薬もありません。流行する地域に出掛ける際には虫に吸血されない服装をしたり、防虫スプレ−などの用意をお忘れなく。
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3 予防接種
入国時に要求される予防接種はありませんが、地方への旅行や長期滞在の場合には、一般にA型肝炎、破傷風などの予防接種が勧められます。予防接種は、これまでの予防接種歴、滞在期間、旅行形態、出発までの期間でかわりますので、詳しいことはお近くの検疫所に問い合わせてください。
4 マラリア情報 (WHO INTERNATIONAL TRAVEL AND HEALTH 2001)
特にマラリアの心配はありません。
海外保健医療情報
1 病気になった時
(1)処置
タヒチで流行する感染症は、赤痢やコレラなどの感染症の流行はほとんどなく、大部分は腸炎ビブリオやサルモネラなどの食中毒やウイルス性疾患であるA型肝炎です。この他、比較的衛生状態の良いタヒチでも熱帯地域に属しているため、熱帯特有の感染症であるデング熱が発生していますが、マラリアの発生はありません。しかし、感染症の流行が少ないからと言って油断は禁物です。症状が激しい時、一時的に日本より持参した市販薬を使用するのは差支えないのですが、病気にかかった時やこれはおかしいといった時には日本にいる時と同じような感覚で考えないで現地の病院などを受診してください。自己診断によって薬で抑え込むような素人療法は逆に治療が遅れ、取り返しがつかなくなる場合もあるので危険です。特に抗生物質の乱用は効果のない場合、かえって悪化することがあるので慎むべきです。
(2)国内の医療機関
医療機関はフランス領だけあって、その設備や技術レベルは比較的高く、感染症を含む一般的な病気であれば安心して診察を受けることができます。しかし、特殊あるいは高度な技術を要する手術ができるほど医療レベルは高くありません。
医療制度は原則として医薬分業で薬の購入には医師の処方箋が必要ですが一般市販薬であれば比較的自由に購入できます。 通常、病院を受診する際には原則として予約が必要ですが、救急の際には予約なしでも診察を受けられます。
なお、日本と違い健康保険制度はありませんので風邪でも数千円から数万円、請求されることがありますので、できれば海外旅行傷害保険に加入することをお勧めします。
以下、タヒチで利用しやすい病院を紹介します。
[病院]
パペ−テ(Papeete)
公立医療センタ−(Territorial
Hospital)
[別名;ママオ病院(Mamao
Hospital)]
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総合診療 TEL
42-20-33
住所;Av. Georges
Clemenceau, Mamao
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カ ル デ ラ 診 療 所(Cardella
Clinic)
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内科一般 TEL
42-80-10
住所;Rue Anne-Marie Javouhey
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パ オ フ ァ イ 診 療 所(Paofai Clinic)
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内科一般 TEL
43-02-02
住所;Blvd. Pomare
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南太平洋コスメディカル・センタ−
(South Pacific Cosmedical Center)
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総合診療 TEL
42-01-04/42-62-22
住所;Quartier du
Commerce
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タラバオ病院 (Taravao
Hospital)
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総合診療 TEL
57-13-33
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ヴァイアミ病院(Vaiami
Hospital)
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総合診療 42-93-70
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参 考
タヒチには日本大使館がないため緊急時には最寄りの日本大使館に連絡を取ることになります。
ニュ−ジ−ランド日本大使館
http://www.japan.org.nz/ (英・日)
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Embassy of Japan, Level 18, Majestic
Centre, 100 Willis Street, Wellington 1, New Zealand.
(P.O. Box 6340)
TEL (64-4)473-1540
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フ ィ ジ ー 日 本 大 使 館
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Embassy of Japan,2nd Floor, Dominion
House,
1 Suva, Fuji. (G.P.O. Box 13045)
TEL (678)304633
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警 察
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局番なし 17
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消 防 署
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局番なし 18
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救 急 車
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救急医療サ−ビス(S. O.
S. Medicine) TEL 42-34-56
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各病院緊急
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ママオ病院 :TEL
42-01-01
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カルデラ診療所 :TEL
42-81-90
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パオファイ診療所:TEL
42-02-02
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タラバオ病院 :TEL
57-13-13
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バイアミ病院 :TEL
42-93-70
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タヒチ観光局(
O.P.A.T.T.I )
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Fare Manihini-Boulevard Pomare P.O.Box
65. Papeete, Tahiti.
TEL 42-96-26
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2 帰ってからの過ごし方
帰国して最初に受けるのは検疫です。滞在先で下痢、腹痛、発熱など体に異常があれば健康相談室で相談してください。最近では赤痢やコレラでも比較的軽い症状で済んでしまうことがあるのですが、感染力は思ったより強いので自分の判断で大丈夫と思っていても家族や会社の人に感染することもありますので・・・・。
また、潜伏期間といって感染してから一定の期間がたたないと発病しない病気が数多くあります。検疫時は何ともなかったのに数日してから症状が出ることもあるので、症状が出た時には、速やかに医師の診察を受けましょう。診察を受ける際には滞在した国と期間、蚊やノミ、ダニに刺されていたらそのことや、食べたものについても説明されると診断の役に立ちます。
帰国時に体に異常があればお気軽に検疫所へ相談してください。
厚生労働省 検疫所 2001
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