お子さんにくすりを正しく与えましょう
「くすり」は正しく使ってはじめて有効で安全なものになります。

 お子さんに「くすり」をあたえることはなかなかむずかしく、いろいろな工夫が必要です。この冊子は、その手助けとなる基本的なことをまとめたものです。

 「くすり」の飲ませ方

●シロップ剤
1)かるく振って中身を均一にします。
2)指示に従ってきちんと計量カップ等で測ります。
3)乳児にはスプーンやスポイトなどで頬の内側に落として少しずつ飲ませ、口直しに水やぬるま湯を飲ませます。
  シロップ剤と粉薬が処方された場合、混ぜてよいか薬剤師にあらかじめ確認しましょう。
  使った計量カップなどはきれいに洗っておきましょう。

●ドライシロップ剤
1)適当量の水にとかしてシロップにします。
2)シロップ剤と同じように飲ませます。
 ・ミルクなどには溶かさないでください。

●粉薬(顆粒剤)
1)少量の水で口の中をうるおします。
2)粉薬を口の中に入れます。
3)コップ一杯の水またはぬるま湯を飲ませます。

粉薬をそのまま与えると、味を嫌ったり、むせてしまって、うまく飲めないお子さんもいます。飲みにくい場合は次のようにいろいろ工夫してください。
 ・少量の水、ぬるま湯などで練り、頬の内部や上あごにこすり付けて飲ませます。
 ・適量の水、ぬるま湯で溶かし、スプーンやスポイトで少量ずつ、なるべく口の奥に流し込みます。

●錠剤・カプセル剤
コップ一杯の水またはぬるま湯といっしょに飲ませます。
 ・お子さんを座らせた状態で飲ませてください。(寝かせたままで飲ませると窒息するおそれがあります。)
 ・飲んだ後、口の中に錠剤が残っているかどうかチェックしてください。
 (まれに口の中にそのまま残っていることがあります。)

●坐剤
1)先のとがった方を肛門にあてて坐剤を一気に入れます。
2)入れたら、10秒程おさえておきます。
 ・2分の1量の指示の時は包装フィルムごと清潔なハサミ等で半分に切り、フィルムをはがし切り口の反対側から入れます。

●塗り薬
1)患部をきれいにします。
2)保護者の手指をきれいに洗います。
3)適量を指先につけて、医師により指示のあった部位(症状のある部位)に塗り、よくのばします。
 ・チューブから直接患部には塗らないでください。

●点眼剤
容器の先が目にさわらないようにし「くすり」1滴を落とします。
 ・「くすり」をさした後、お子さんが手で目をこすらないようにしてください。



◎注意すべき「くすり」の副作用
発赤、じんましん、元気がない、ふるえなどいつもとちがう様子がみられた時は、できるだけ早く医師や薬剤師に相談しましょう。
・以下にあてはまるときには、あらかじめ医師や薬剤師に相談してください。
 1)別の病院や診療所で「くすり」を飲んでいる。
 2)アレルギーやじんましんなどが出たことがある。
 3)「くすり」の副作用を経験している。
 ・長期間使用の場合には、腎臓や肝臓などに機能障害が出ることもありますので、定期的に病院で検査を受けましょう。



「くすり」の飲ませ方 Q&A

「くすり」をミルクにとかして飲ませてよいですか?
ミルクや食品には原則として混ぜないでください。ミルク嫌いになったり、食事嫌いになるおそれがあります。

「くすり」を飲ませ忘れた場合は?
飲ませ忘れた時には、「くすり」の種類によって対応が異なります。医師又は薬剤師に相談してください。なお、飲ませ忘れたからといって、絶対に2回分を一度に与えてはいけません。

ステロイド軟こうは副作用が心配?
指示通りに短期間使う場合は、副作用の心配はまずありません。長期間にわたるときは医師や薬剤師とよく相談して使ってください。

頓服(とんぷく)の使い方は?
熱を下げたり、痛みを取るために必要に応じて、そのときに服用するのが原則です。
1日の服用回数はそれぞれの「くすり」により異なりますので、よく確認してください。

病院でもらった「くすり」を市販薬と一緒に飲ませてもいい?
医師や薬剤師に飲んでいる「くすり」を持って行って相談しましょう。「くすり」によっては、一緒に飲んではいけないものがあったり、同じ種類であったりするからです。

解熱剤(坐剤)の使い方は?
熱さましの坐剤は医師の指示に従って使用してください。挿入した後、熱が下がらないからといって、すぐにもう1回挿入してはいけません。まず医師に相談してください。

同じ症状が出たのでお姉ちゃんの「くすり」を弟に与えていい?
「くすり」はそれぞれのお子さんに合わせて処方されています。だから、他の人にあげたり、他の人の「くすり」をお子さんに飲ませないでください。

「くすり」を保管する場所は?
 ・直射日光、高温、多湿のところを避けて保管してください。
 ・「くすり」は必ずお子さん(乳幼児)の手の届かない所に保管してください。


 乳幼児の事故の中で「くすり」の誤飲はしばしばみられます。

 子供は大人のミニチュアではありません。また、子供の生理機能の発達は個人差が大きいものです。したがって、単に大人の「くすり」の量を減らして与えればいいというものではありません。
  また、「くすり」の効能や副作用についても、年齢により個人差が大きく出ることがあります。「くすり」を与えた後も、お子さんの状態を注意深く観察してください。


 「くすり」について、もっと知りたい、何かわからないことがあったら、遠慮なく、医師、看護師、薬剤師に質問してください。保護者の方が十分に「くすり」のことを理解したうえで、お子さんに「くすり」を与えることが大事だからです。


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