歯科の診療
 口の中の診療は緊張しがちですが、診療がスムーズに進むようにリラックスして治療を受けてください。

  診察前
 まず、電話などで受付に予約や現在の状況(痛みの具合など)を伝えてください。強い痛みのときは急患として入れると思いますが、痛みが無い場合はあらためて予約をとる事になるかもしれません。
 医院の受付ではもう一度痛みの具合や、いつ頃から痛み始めたのか?薬は飲んでいるのか?妊娠中か?などを聞かれると思います。なお、診察室には助手の人がついてご案内いたします。
 診療を受ける前に歯磨きをしておいてください。また、入れ歯があるときは洗浄しておいてください。

  診察
 歯科の診療台は椅子の背もたれが真横になるまで倒れるのが殆どですが、座った状態のまま治療する場合もあります。
 口をすすぐ水は椅子の左手側にあります。
ボタンを押すと水が出るタイプとコップを置くと水がたまるタイプがあります。
 
 まず、椅子に座ると再び問診があると思います。その後口の中を診ますが、あまり力をいれずに楽に開いてください。(力を入れて大きく開こうとするとかえって唇がすぼまってしまいます。緊張しないで楽に!)
 また、レントゲン写真を撮る場合もありますが、助手の方が誘導して撮影室にご案内いたします。

  治療
 歯科の治療にはいろいろな種類がありますが、そのうち良く行われるものには次のようなものがあります。
1;虫歯(カリエス)の治療
2;歯槽膿漏(歯肉・歯周病)の治療
3;抜歯
4;入れ歯(義歯)
5;顎関節の治療
6;歯並びの矯正

  1;虫歯の治療
 虫歯の治療は痛みの有る無しや、場所によって方法が変わります。
強い痛みがある場合には虫歯が神経まで達している可能性が高く、神経をとる治療が行われます。以前に神経をとっていても痛む場合があります。(歯の根っこの先にばい菌が入り、炎症を起こすことが有ります。)この場合、局所麻酔の注射をしてから治療します。細い針の注射ですので、最初チクッとした後は押されるような感じがするだけですのでさほど痛みませんが、炎症がひどいときは麻酔の効きがわるかったり、麻酔の注射自体が痛いときもあります。
 それほど痛みの無い場合には(時々痛んだり、冷たい水が染みるなど)神経をとらずに治療します。
 前歯には歯の色に合わせた樹脂をつめる治療が多いです。
 奥歯には歯の型をとり、金属を入れる治療が多いです。
虫歯が浅い場合や奥歯でも口を開けたときに見える横の部分には前歯と同様に樹脂を詰めるときもあります。
 虫歯が大きいときや、神経を取ったときなどは金属や樹脂をかぶせることが有りますが、保険を適用する場合には、奥歯には金属、前歯には樹脂を入れることが出来ます。
 なお、詰め物をしたときや、かぶせた時にも多少きついぐらいなら大丈夫ですが(一日ぐらいで違和感は無くなります。)、高さが高い時や顎を横に動かして当たる場合には早めに調節してもらってください。

  2;歯槽膿漏(歯肉・歯周病)の治療
 歯槽膿漏の治療には基本的に歯の周りについて歯石などの汚れを取り除き、歯肉の炎症を抑えることから始めます。しかし、これには患者さんの歯ブラシによる歯垢除去が同時に必要となります。歯を磨くときは出来るだけ歯茎を磨くようなつもりで行ってください。その際ただ力を入れて磨きますと、かえって歯茎を傷めますので気をつけてください。
 なお、歯が動く時は、隣の歯と固定することもあります。さらに重症の場合は外科手術や抜歯をしなければならないときもあります。

  3;抜歯
 歯を抜くときは麻酔が効いているので殆ど痛みません。(神経の処置により痛まないときもあります。)押されるような感じがするときもありますが痛みは余りありません。(抜くのに手間取れば麻酔が切れて痛むことがあります。)
 抜歯した後はしばらくすると血が固まり出血は止まります。その後、多少血がにじむことがありますが、気にすることはありません。ただし、口を強くゆすいだり、舌で触ったりするのは避けてください。
固まった血がとれて再び出血することがあります。もし口をゆすぐ時は軽くすすぐようにしてください。それ以外は普段どおりにしていても大丈夫です。(ただし、過激な運動は避けてください。)
 抜いた次の日などは多少腫れたり、口が開けづらくなったり、つばが飲み込みづらくなることがありますが、強く痛まなければ心配は要りません。

  4;入れ歯
 入れ歯を作るには大きさによりますが、すぐには出来上がりません。
まず型をとった後、高さを調べ、必要なら仮の歯の歯並びを確認し、4,5回通院後、出来上がりとなります。出来上がり後も更にもう少し時間がかかります。と言うのも歯にかぶせるものと違い、歯肉という歯の周りの柔らかいところに噛む力がかかりますので、少しでも合わないと傷になる場合があります。
そのため調整が必要となり、実際に食事をして具合をみながら、そのつど合わせるという過程を経る場合もあります。
 入れ歯は使ってみて痛いときは外しておいてもかまいません。(無理に入れていると傷になったところが腫れて余計に当たるようになる場合があります。)ただし入れ歯は乾燥すると変形する場合があるため水の入った容器(コップやビニール袋など)に入れておいてください。

  5;顎関節の治療
 顎の関節の治療は軽度の場合は普通の歯科医院で治療を出来るものもありますが、関節の変形などの重症のときは大学病院などの大きい病院で治療しなければならないでしょう。
 また、急に口が開かなくなったなどの時は、関節ではなく顎の筋肉痛の可能性が大きいです。そのときは薬を飲んだり、顎に力がかからないように歯に取り外しの出来るかぶせ物(スプリット)を入れたりして治療します。何回か繰り返すときは噛み合わせや親知らずに原因があるときが多く、その処置を行わなくてはならないときもあります。

  6;歯並び(矯正)
 歯並びは先ほどの顎関節症の原因となったり、ブラシが当たりづらくなることから虫歯や歯周病になりやすく、出来れば治療したほうが良いでしょう。
歯並びを直す歯にワイヤーをかけて動かすような治療には原則的には保険が利きません。しかし、顎の内側にはえてしまった歯を抜歯したり、かぶせ物で整えたりする治療は保険適用で行うことが出来ます。
 歯を動かす場合、費用の問題だけではなく期間がかなりかかります。これは、動かした後元に戻らないように固定する期間が1年から2年かかるからです。
その一方、かぶせるのとは違い歯を削ったりあまりせず、歯の傾きが自然になるなど、長所があります。
 特に最近流行の審美歯科など保険が効かない場合が多く、また治療の選択肢も多いため、先生によく相談してみてください。

  最後に
 病院でもらった薬は決められたとおり服用してください。症状が消えたからと言って止めるとぶり返すこともあります。
 歯科の治療は大きな音がしたり振動があったりと、驚くことが多いと思いますが、急に顔を動かしたり手で払ったりするのは危険なため、しないでください。もし痛いときは手をあげたり何らかの反応をすれば先生のほうで気づいてくれます。
 治療について気になったことは遠慮しないで質問してみてください。


上記の文章をダウンロードされる方は、下の画像をクリックして下さい。

BES形式   DOC形式   TEXT形式   HTML形式

戻る