[Mr.I のピッツバーグ紀行]

[第8話]
今回は、ピッツバーグがどんな街なのかをお伝えします。

★中心街(ダウンタウン)
ピッツバーグの中心街は、2本の川が東から西に向かって合流した地点に発達してます。地図で見ると、Yの字を右に寝かせたような形をしてます。何が嬉しくてこんな場所に街をつくったのか知りませんが、とにかくピッツバーグの中心街は三角形をしています。
アメリカの多くの都市では、中心街の道路は碁盤の目のように構成されていて、わかりやすいように道路に番号がふられています。しかし、ピッツバーグの中心街は悲しいことに三角形なので、碁盤の目のように道路をつくることはできません。おかげで一般道路の道路事情はカナリ複雑です。おまけに、その三角形にグルグル絡みつくように高速道路が建設されているので、合流が複雑だったり方角がコロコロかわります。そのわかりにくさは東京の首都高速を思わせます。アメリカにしては珍しい難しさです。
中心街は、きわめて観光の乏しい街です(とほほ)。ビジネス街、野球場やアイスホッケー場、クラシック系のコンサートホール、ちょっとしたショッピングタウン(ほとんどビジネス街勤務者だけのためのもの)それから土曜日に朝市が行われる食材店街、などがあるくらいです。
強いて観光といえば、三角形の先端には公園があって、夏になると45mもの噴水があがるそうです。その噴水を見られるまで私はピッツバーグにいるのだろうか!?あとは川のクルーズツアーもあるらしいのですが、まだよく知りません。
それから、川の南側は非常にキツイ崖になっていて、ほとんどエレベーターみたいな急斜面のケーブルカーが設置されています。それを上ると、夜には本当に美しい夜景を見ることができます。ニューヨークやサンフランシスコのような大都会の有名な夜景と違って、ピッツバーグの夜景は規模こそ小さいものの、その崖のおかげで、摩天楼が目の前にあるような迫力を楽しむことができます。崖の上の一等地には、当然のようにムーディなレストランやバーが並んでます。

★学生街(オークランド)
私は、Yの字を右に寝かせた三角地帯を、右に(東に)3kmくらい進んだところにある学生街に住んでいます。ここはピッツバーグ大学とカーネギーメロン大学のためにあるような街です(言いすぎ?)。ピッツバーグの観光の中心地でもあります。
 ピッツバーグ大学には、アメリカの大学でも最大級という42階建てのタワーがあります。そのタワーは私のアパートのハス向かいにあるので、私はそのタワーを毎朝眺めてます。その1階と3階には、世界各国の教室のインテリア様式を模倣した30個弱の教室コレクションがあります。なかなか面白かったです。タワーの28階に用事があって行ってきたことがあるのですが、帰りのエレベーターがなかなか来ないので、短気な私は歩いて降りてきました。つかれました(あほ)。しかし、その直後の(昼間っからの)ビールは美味しかったです。
 カーネギーメロン大学の創始者、アンドリュー・カーネギー氏は、100年ほど前に鉄鋼産業の長者として有名だった人です。彼は自分の財産を市民に還元すべく、彼の会社の鉄鋼工場があったピッツバーグに大学と博物館をつくり、ニューヨークには有名なカーネギーホールをつくりました。ピッツバーグの博物館は自然史博物館と美術館で構成されていて、両方じっくり見るとマル1日かかるくらいの規模です。

★学生街周辺の住宅
 学生街周辺には、東西に伸びる数本の大通りがあって、それを境界にしていくつかの住宅街が構成されてます。おおまかにいうと、黒人街、イタリア人街、学生向けアパート街、一戸建て街などです。
 日ごろの買い物は、徒歩でも行けるスーパーと、クルマで20分くらいの場所にあるディスカウントショップ、それからクルマで30分くらいの場所にあるモール(デパートと専門店の集合体)に行きます。クルマで1時間くらいの場所に、ブランドもののアウトレットもあるのですが、雪の多い道を通るのでまだ行ってません。そろそろ暖かいから大丈夫かな。
 時々「黒人街には行くな」と言われるのですが、車で通り過ぎる限りでは危険な雰囲気は感じません。きっと90%以上の人はいい人なんでしょうけど、残りのわずかな人が事件を起こすためにそう言われてしまうのでしょうね。黒人街に限らず、ピッツバーグの大半の店は、ショーウインドーをシャッターや鉄格子で閉めずに、夜中も店の中を見せた状態でいます。知人に言わせると、こんなことは治安のいい街じゃないとありえない、事件の多い街だったらすぐにガラスを割られてしまう、のだそうです。
 僕は「日本人は海外では固まって行動する」という話を多くの人から聞いていたのですが、ピッツバーグの住民をみる限りでは、日本人よりも中国人、インド人、イタリア人のほうがよっぽど固まっていると思います。彼らのネットワークはカナリ固いようで、面識のない新参者でもアパートが決まるまで泊めてあげるとか、日ごろから食材を分け合うとか、そういう結束をシッカリ持つのは当然と感じているようです。
 結束といえば、近くの研究室にいて1日1回くらい見かける中国人や韓国人の学生さんは、みんな私をみると非常に嬉しそうに挨拶をします。同じ黄色人種としての親近感、ということなんでしょうか。
 日本人は観光地や英会話学校ではホントによく固まっていますが、ピッツバーグに長期滞在している日本人はむしろ自立しているように見えます。

★遠くの観光地
 ピッツバーグ近郊には有名観光地はありません(苦笑)。誰でも知ってる観光地といったら、ワシントンDCとナイアガラの滝が、どっちもクルマで4時間くらい、というのが一番近いようです。逆にいえば、6月までの間にワシントンDCかナイアガラの滝に旅行に行かれる方で、あと2日ほど予定を延ばしてレンタカーを運転できるという方でしたら、ピッツバーグで私に会うことができます。さすがにそんな人いないだろうなぁ・・・。

 次回は、コンサート鑑賞の報告です。

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