[Mr.I のピッツバーグ紀行]

[第11話]

 小市民ネタをお送りします。

★銀行口座
 日本では、家賃や光熱費を「振込」「引落」というシステムで払い込むことが多いですが、アメリカではそのかわりに小切手をよく使います。私の場合、家賃はアパート管理人に小切手を手渡ししてます。光熱費は、明細が届いてきたら、返信用封筒を使って小切手を郵送します。
 小切手は、銀行口座番号や本人の住所などを印刷された紙に、自分で金額と署名を書いて、金券のようにして使います。受取人は、小切手に印刷された銀行口座からお金を引き落とします。
 そんなわけで、アパート在住者には、短期滞在でも銀行口座がほぼ必須になります。たとえ私のような「半年弱」というハンパな期間の滞在でも、銀行口座をつくるのは一般的なようです。それどころか、アメリカに到着してからアパートを探す人の場合には、アパートに契約するまでの数日間の間に銀行口座をつくる必要があります。
 私の場合、どのようにアパート契約時点までにお金を用意したかと言うと、
 (1)出国前に日本で多額の旅行小切手(私は$5000でした)を購入した。
 (2)アメリカに到着したら、即日銀行に行って口座をつくった。
 (3)その口座に旅行小切手の大半を預金した。
 (4)アパートの契約時点での敷金などは、上記銀行の小切手で支払った。
という手順でした。

 預金時に支払った旅行小切手は数十枚。これ全部に署名をする作業はかなり疲れました。仕事で一日中PCに向かっていて、ろくにペンも握らない生活をしてるものですから・・・。
 ところで、銀行口座をつくるには、郵便物(例えば新規作成されたキャッシュカード)が届く住所を申請用紙に書く必要があります。これからアパートを探すというのに、住所なんてあるわけないだろーが! こんな場合には、銀行口座をつくる時点では、滞在先の知人の住所を借りるなどして、急場をしのぐのがベターです。
 さて、現金をあまり使わない国アメリカでも、小額の現金は必要です。ですからアメリカでも、さすがにATMで現金を下ろすことくらいあります。私が驚いたのは、ここピッツバーグのATMは、銀行などの壁から路上にムキダシになってることです。つまり、屋根も何もない歩道で、人が現金を下ろしているのです。引ったくりにねらわれないんですかねぇ、って思ったこともあるのですが、アメリカでは日本と違って巨額の現金を下ろす人は多くないらしいので、泥棒も「狙いがい」がない、のかもしれません。
 ピッツバーグのATMで、気に入ってることがひとつあります。それは、暗証番号や金額の入力を終えると、まず現金とキャッシュカードが先に出てきて、それから明細の印刷をはじめる、ということです。つまり、大切な現金とカードを財布にしまいながら、明細の印刷を待つことができるわけです。一方、私が日本で口座を持っているATMでは、現金、カード、明細の3者が最後にイッペンに出てるので、帰り間際が忙しいのです(笑)。

★人種のるつぼ
 私は、日本で白人や黒人がウロウロしているのを見ると、つい
「道がわかんなくて困ってるのかなぁ。旅行者かなぁ。声をかけて教えてあげようかなぁ。」
とか思ってしまうのですが、そういうお節介好きな人は私だけでしょうか。
 アメリカで私がウロウロしてても、そういうお節介好きな人から声をかけてもらう機会はありません。それどころか、さっき到着したばかりの見知らぬ土地で、逆に白人から道を聞かれたりすることさえあります。思えば10年前、はじめてアメリカに来たとき、いきなり道を尋ねられて驚いたものです。
「おいおい、どう見たってワタシゃ外人だっつーに」と、そのときは思ったのですが、よく考えてみたらアメリカには世界中の人種や民族が集まっているので、パッと見た限りでは誰が居住者で誰が旅行者なのだか見分けようがありません。きっとワタシに道を尋ねた白人さんも、私のことを居住者だと思ってしまったのでしょうね。
 そんなわけで、アメリカでは私のような短期滞在者であっても、よそ者扱いされたり新参者扱いされることが滅多にありません。大学でも、テニスのレッスンでも、旅行先や出張先でも、まるで私がずっと前からアメリカに住んでた人であるかのように、何事もなく話し掛けてきます。(もっとも、私の態度が大きいから、私が短期滞在者に見えない、という要素もあるかもしれませんが。)これは非常に心地よいことだと私は思ってます。
 しかし、外国人扱いされないことで、時には疲れることもあります。例えば、私の英語力不足が理由で会話が通じないのに、いつまでたっても私をネイティブだと思って早口で話しつづける人との会話です。あるいは、私の拙い発音を信用しきってしまう人の誤解をとくときです。
 経験的にいって、これは電話で予約や申し込みをするときに多いです。電話の音質がよくないせいもあってお互いに発音が聞き取りにくい上に、お互いの顔が見えないので、会話のすれ違いが生じやすいのです。
 私の名前はTAKAYUKIですが、電話番号を取得するために電話会社に契約の電話をかけた際に、担当者が私の拙い発音を聞き間違えて、私の名前をPAKAYUKIと登録してしまいました。それから2ケ月半、訂正要求を毎月出してるのに、いつまでたっても私の名前はPAKAYUKIのままです。いつまでたっても直してくれません。まったく困ったものです。しかし本当に困ったものなのは、いつまでたっても上達しない私の発音である、ということを忘れてはいけません(爆)。
 そういえば、別のある場所で、私の名字ITOをIBOと聞き間違えられたこともありました。まったく困ったものです。しかし本当に困ったものなのは、いつまでたっても上達しない(以下省略)。

 つい先日、上記の電話会社のカストマーサポートなる部門から電話があったので、名前の間違いをクレームしてみました。以下、その会話を紹介します。
「うちのサービスで困っていることはないですか?」
「えっと、私の名前がいつまでたってもPAKAYUKIのままなんですが。」
「おお、そうか。でも、そんなのは訂正願を書いて通話代支払時に同封すれば、すぐ直してもらえるさ。そんなことより、うちの新しいサービスを知ってるかい。月々$5でより快適な電話生活が・・・うんぬん(以下よく覚えてない)」
 おいおい!こっちが何回訂正願を書いても訂正してくれないからアンタに言ってるんだろうが!それにカストマーサポートってアンタ、そりゃ単なるセールスやんけ!

 それでは、この話はこのへんで。次は観光についてお話します。 

 

 

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