4 不応期の延長

1989年5月1日号 (No.42)に掲載したものです。

前回に続き、不整脈のお話です。膜安定化作用のほかにも、抗不整脈薬の重要な薬理作用として不応期の延長が挙げられます。不応期とは、心臓の刺激伝導系に関与する用語で、活動電位がこの期間にある時は他から刺激を与えても心臓は反応を示しません。

たとえて言うなら、押しボタン式の信号機が思って見てください。
誰かが、信号機のボタンを押すと、信号機は「しばらくお持ちください」と表示し、しばらくしてから、やっと青になります。その間は、別の人がきてボタンを押しても信号機は全く反応しません。

つまり不応期とは「しばらくお待ちください」の期間の事で、その期間が延長されればされるほど、不応期は長くなり(反応しない時間が長くなる)、その間に異所性刺激(正規の場所以外からの心臓に対する刺激)が来ても、心臓は一々反応せずに済み安定な状態となります。

Ca拮抗剤などでもこの作用があるものがあります。


上記の文章をダウンロードされる方は、下の画像をクリックして下さい。

   DOC形式   TEXT形式   HTML形式

戻る