7 アラキドン酸カスケード〜「風が吹けば桶屋がもうかる」

1992年7月15日号(No.111)に掲載

風が吹くと、目にゴミが入って眼の悪い人が増え、えーとそれからなんでしたっけ、三味線がよく売れるので、材料の皮を取るために猫が減り、そうするとネズミが増えて、増えたネズミは桶をかじるから、桶がよく売れて桶屋がもうかる。
これが「風が吹けば桶屋がもうかる」という仕組みです。

アラキドン酸カスケードも私にとってはこの話と同じ位、難しく不可解なものです。そこで自己流にこの仕組みを解釈することにしました。
カスケードというのは滝のことで、それも箕面の滝のように一直線に落下する滝ではなく、赤目四十八滝のように階段状の滝のことです。
滝が段段と下の川に落ちて行くように、1つの反応が起きるとそれに派生して次々と連鎖的に反応が続いていく現象をさします。

アラキドン酸にシクロオキシゲナーゼと言う酵素が作用を受けると、プロスタグランジンとトロンボキサン群が生成し、リポオキシゲナーゼの作用を受けるとロイコトリエン群の代謝経路をたどり、、、、(それからえーと、なんでしたっけ)まあ、要するに、こういう煩雑なシステムが我々の体内に組み込まれていて、それにより、我々は熱を出したり、炎症を起こしたりしていると言うわけです。

血液の凝固系も似たようなシステムを取っています。すなわち第3因子が、第7因子の生成を促し、、、途中略、、、最終的に血が固まるのです。

問題はどうしてこんなにややこしいシステムが必要なのかということです。

以前テレビで、核ミサイルの発射システムを紹介していましたが、実はあれも非常に煩雑なのです。大統領の指令が出てから1分以内にすべてのシステムが作動するようになっていますが、その間にいろんな手順があります。

そうなのです。こう言う現象(血が固まるとか、炎症が起こるとか、核戦争が始まるとか、、、)はそう簡単に起こってもらっては困るわけでして、いくつもの条件が整った上で、しかも条件が整いさえすれば、すぐさま実行する必要があるのです。

<付記> 
アスピリン喘息の機序もアラキドン酸カスケードで容易に説明することが出来ます。
NSAIDs(解熱消炎鎮痛剤)は、プロスタグランジンを抑制しますから、川で言うと流れがそこで堰き止められ、ロイコトルエンの方に流れていってしまうからです。ロイコトルエンは喘息を誘発します。

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