9 丸山ワクチンは今〜BRM
1993年9月15日号掲載 関連項目:BRM
抗癌剤といえば細胞毒そのもので、副作用は当然重篤なものばかりです。
でも副作用の少ない抗癌剤も有るのです。ピバニール、PSK,レンチナン、アンサーなどがそれで、インターフェロンもその仲間に入ります。
これらの薬物のことをBRM:Biological Response Modifier:生物反応修飾剤と呼んでいます。
生物反応というのは分かっても修飾(Modifier)とは何の事でしょう。国語辞典を引いてみると「修飾:つくろい飾ること」と載っています。余計分からなくなってしまいました。
そのそもこれらBRMの大先輩にあたるのがあの幻の抗癌剤"丸山ワクチン"なのです。なぜ幻かというと厚生省が薬とは認めなかったためです。で、丸山ワクチンとは何かと言うと、ご存知ない方は驚かれるかもしれませんが本体は"結核菌"なのです。
以前より結核患者では、癌になる確率が低いことが統計的に分かっていて、それならばということで作られたのが結核菌を無毒化した丸山ワクチンだったのです。
癌の発生や増殖が生体の免疫能と密接に関係していることはよく知られており、患者の免疫能は臨床経過や予後とも関係しています。癌患者では免疫能が低下していて、癌の進行とともにますます衰えていきます。このような患者の免疫能を改善し癌の増殖を抑えようというのがBRMなのです。
先ほどの"修飾"というのは、衰えた免疫能を修復しようということだったのです。ただしこれらのBRMは単独では癌をやっつけることは出来ません。副作用の多い細胞毒の抗癌剤との併用用によってその効果が認められています。
丸山ワクチンが薬として承認されなかったのも、単独では効果が少なかったためです。最近(執筆当時)発売されたアンサー注はこの丸山ワクチンを濃縮したものです。
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