12 アミノグリコシド系抗生物質の副作用

1992年6月15日号(No.109)に掲載

「嗅いで視る、動く車の三つの外、顔きく舌も迷う  副  舌」
 1   2   3 4  5   6  7 8  9 10 11  12

いきなり何のまじないかと思われたでしょうが、これは手抜きの勉強の仕方の一つです。我々理科系の人間はこのように語呂合わせで、いろんな事を丸暗記したものです。

上記は脳神経の覚え方です。脳神経は1〜12まであり、第1神経が嗅神経、以後、視神経、動眼神経、滑車神経、三叉神経、外転神経、顔面神経、内耳神経、舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経です。(下の数字を参照)

何故わざわざこんなことを書いたかというと、アミノグリコシド系抗生物質の副作用で有名なのが第8脳神経障害だからです。上記の語呂合わせでいうと「きく」に当たります。そう、内耳神経障害で耳が聞こえなくなるのです。

ストマイ、カナマイ、アミカシン、トブラシンそれにおMRSA治療剤であるハベカシンなどでは、このアミノグリコシド系です。これらの薬剤を使用中の患者では、聴力・平衡感覚が障害を受ける可能性があります。

これらアミノグリコシド系抗生物質はグラム陰性菌(緑膿菌を含む)によく作用するので、比較的多く使用されていますが、第8脳神経障害の他にも腎毒性をも持ちますので、その使用は短期間が望ましいとされています。


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