[ポルトガルの6月10日]

ポルトガルはスペインの属領であったカスティーリャ地方を、日本では鎌倉時代にあたる1143年にアルフォンソ・エンリケ王が、ポルトカリ伯爵に命じて独立させた国で、ポルトガルではこの日を「ポルトガルの日」として祝います。
 北と東がスペインに接しているせいか、ポルトガル人は西の大西洋に何か壮大の夢を描くのでしょう。ポルトガル人はいつも西を向いて生活していると言われる所以です。
 この日は、ポルトガルの詩聖ルイス・ヴァス・デ・カモンエスの命日(1525~1580頃)でもある。ポルトガルの人々はこの日を「カモンエスの日」として彼の偉業を偲ぶのです。ヴァスコ・ダ・ガマの新航路発見を題材にしてポルトガルの歴史を織り交ぜながら、その偉業を称えた、不朽の名作と言われる「ポルトガルの人」を意味する「ウス・ルジアーダス」と言う叙事詩を書いたのがカモンエスである。
 ポルトガルを旅行する人は、大陸の外れにあるロカ岬を必ず訪れるが、「此処に陸尽き、海始まる」と刻まれている碑を目にする。この文言はカモンエスの詩からとったものである。碑を背景にして写真を撮って周囲を見渡すと大西洋に面した素晴らしい景色に圧倒される。
 リスボン市内を流れるテージョ河の近くに建つ、大航海時代のロマンが漂うジェロニモス修道院の西門入り口から入って右手にカモンエス、左手にヴァスコ・ダ・ガマの石棺が安置されている。
 だから、この日は、ポルトガル人にとって二重のお祭りの日になっている。
 カルド・ヴエルデと呼ばれるキャベツとスパイシーなソーセージの味噌汁に似た風味のスープを味わいながら、薄い黄色の発泡酒で酸味がある、フレッシュな味のヴィーニョ・ヴェルデを飲みながら祝うのも楽しい。

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